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2008/05/09(Fri) 12:00:11
『遠野さん、チケット買ったよ』 「え……あ、うん」 XXランドの大きな門を見上げ、呆然としていた茉理は、声をかけられ、振り向いた。 渡されたチケットを見て、それが『一日フリーパス』だとわかり、更にぐえっとかえるのような悲鳴をあげる。 (けっこうするよ、このチケット) 自分たちの住んでる市の隣にある海に面したアトラクションとテーマパークの集合体。 まだ出来て10年にもならないが、最先端の乗り物の数は豊富で、植物園や小動物園、海に面したホテルに、水上レジャー施設など――とにかく豪華で人気のある場所なのだ。 自分の一月分のおこずかいをはたいても買えないチケットを握り締め、めまいがしそうになる頭を抱えて、茉理は斎と門をくぐった。
『ごめん。もしかして、ここ、嫌いだった?』 「え、そんなことない! ただびっくりして」 心配そうな斎の声に、茉理は首をぶんぶん横にふった。 来たいとあこがれていたことは事実だ。 まさか同年代の男の子と、二人で来ることになるとは思わなかったが。 『僕、遊園地って初めてなんだ。楽しくて、面白いって、さっき君が言ったとき、真っ先に思いついたんだよ』 斎は嬉しそうに笑う。 『あと、静かで話せる場所がついてるとしたら――ほら、ここ、あっちのハーブ園とかなら、中でお茶も飲めるし、静かに話せるって雑誌に載ってたんだ。全部条件を満たしてるだろ?』 『う……うん、そうだね』 茉理は、思いがけない彼の笑顔に、一瞬どきっとした。 (こういう顔してると、ほんとうにクラスメイトたちと変わらない中一男子に見えるんだけどなあ) 普段の沈んだ、どこか遠くを見ている表情では、なんか少しだけ存在が違うように感じてしまう。 『さ、行こう。遠野さん、どれに乗る?』 すごく嬉しそうに、斎は茉理の手を引いて、アトラクションに向かっていった。
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