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2008/07/21(Mon) 15:18:29
(どうなってるの? もう) 茉理は白い陶器の浴槽につかりながら、ため息をついた。 XXランドで響子に異次元に飛ばされ、ここまで来たのは覚えている。 でもよりもよって――。 (異次元というより、あの本の中の世界じゃない。そんなことってあり?) こないだ図書室で目に付いた児童書『魔法の国の巫女姫』。 あのトノアと名乗る少女は、まさしくその本の主人公『聖魔巫女』そのものだ。 この世界も、本の中の描写にそっくり。 (確か本では、ユーフォニアって別次元の空間だったわよね) 中世ヨーロッパを中心に住んでいた魔族達は、別次元ユーフォニアに住む『聖魔一族』を崇拝していた。 聖魔一族は普通の人間と変わらない一族だったが、一族の中からいつもたった一人、不思議な力を持つ少女が生まれるのだ。 少女は未来を予見し、魔族と契約を交わし、大いなる力を与えることが出来る。 彼女は巫女姫と呼ばれ、一族の長となり、たぐいまれなるその力で一族を束ねた。 そして異次元の地球という星にいる魔族を未来に導き、大いなる魔術を授けたとか。 (それが聖魔巫女……) 茉理は必死に、ここまで思い出す。 響子によって、とんでもない世界に飛ばされてしまった。 (本の中の世界なんて、びっくりだわ。早く帰らないと――元の世界へ) たぶんあのトノアという少女なら、帰り方を知っているだろう。 本の中では、巫女姫は聡明で、様々な力を持っていた。 (でも途中までしか、まだ読んでないのよね) こんなことになるのなら、最後までさっさと読んでおけばよかった。 後悔してもどうしようもないことだが、むしょうに悔しい。
第一巻<35> / TB(-) / CM(-) / ↑
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