きつねこぶたの創作部屋

きつねこぶたの創作小説ブログです。ただいま<私立クリスティ 学園シリーズ>を連載しています。
[ <33>−4 ]
2008/06/27(Fri) 15:00:47
「英司をはずして、俺に何を言いたいんだ?」
 PCを打つ手を止めて、直樹は雅人扮する茉理をじろっと見た。
「ふふっ、よくわかってるねえ、直樹君」
 ふわっと笑むと、パチンと茉理は指を鳴らす。
「後野家は、なかなか面白いとこだったよ」
 元の金色派手な髪をさらりとかきあげ、雅人は優雅に微笑んだ。
「その姿の方が、話しやすいな。で、どうだった?」
「ご両親は、父親に少し魔力のかけらを感じたけど――ま、本人に自覚がないから、普通の人間だね。母親、及び祖母の方には、まったく魔力は感じなかった」
「そうか、やはりな」
 直樹は、メガネをきらりとさせる。
「父親は平凡なサラリーマン、母親はパートで近所のスーパー勤め。家には少しぼけの入ったおばあちゃんが、いつも留守番をしている。おばあちゃんは、以前は徘徊し、いなくなることいなくなることもあったけど、たいてい数日後には自力で戻ってくるし、あぶないことはしないみたいだから、監視をつける必要なし、とみなされている。確かに一応、つじつまの合わないことを言うし、ぼけているようにみえる」
「みえる?」
「――そういことだね。どうしてぼけ老人指定されてるのか、実は僕にはわからなかった。あんなにマトモに話すのに」
「……」
「家族が気がつかないなんて、よっぽどお互いのことに干渉しない家庭なんだろうか。あれはもう筋金入りのお芝居だよ。それもかなり年季が入った」




第一巻<33> / TB(-) / CM(-) /



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