きつねこぶたの創作部屋

きつねこぶたの創作小説ブログです。ただいま<私立クリスティ 学園シリーズ>を連載しています。
[ <33>−6 ]
2008/06/28(Sat) 11:44:58
「そうでもないと思うよ」
 雅人は、憂鬱そうにつぶやいた。
「昨夜、散々聞かされたけど、彼女は、やたらと寝言のように僕に言うんだ。どうしてクリスティ学園なんかに通ったのかと」
「……」
「あんなに反対したのに、おばあちゃんの言うことを聞かないから、こんなことになるんだと、何度も何度も、僕に向かってぶつぶつ言い続けるんだ」
「それはやっかいだな」
「でしょ? どうやらおばあ様は、クリスティとの宿命に反対されてるみたいだよ」
 こりゃあ茉理姫をもらうのに、帝もかなりの苦労だねえ、と雅人は笑う。
「あっさり二人を認めてはもらえないだろうね。ああ、でも障害のある恋ほど燃えるものさ。二人はきっと祖母の反対を糧として、更に愛を深めていくことだろう。そして手に手をとって」
「お前、早く教室に帰れ! もういい」
 セリフが長くなりそうだと、直樹は苦味虫を噛み潰したような顔になった。
「俺は忙しい。続きは教室で、そういうロマンス好きのクラスメイトとやるんだな。今のお前の役割なら、十分に女子の中でそういう話に華を咲かせられるだろう」
「そうもいかないさ。だって後野 茉理ときたら、友達が一人もいないんだ」
「そうなのか?」
「帝の一件のせいで、彼女はクラスで完全孤立。その後、彼女候補にエントリーされて、みんなの態度も変わってきたが、今度はそういうみんなの姿勢に嫌気がさし、彼女はほとんど一人でいることが多いらしい」



第一巻<33> / TB(-) / CM(-) /



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