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2008/07/02(Wed) 11:39:02
特館から校舎に戻ろうと、帝は校庭を横切っていた。 (結局収穫なしか) 思いつくまま書庫の書物をあさってみたが、異次元に飛ばされたものの位置を正確に知る魔術はみつかっていない。 異次元を自由に渡るには、高度な魔術と感の強さが求められる。 羅針盤も地図も、方位磁石も、何も通用しない時空なのだ。 そして果てがないといってもいい。 (異次元に入るのは簡単だ。だが) 肝心の目標物が、過去に飛ばされたのか、はたまた未来か。 宇宙の彼方にあるという、別な次元の世界に行ってしまった可能性だってある。 それとも今、現実世界の日本ではない外国に飛んだだけだったりして――。 (やみくもに探しても、時間と魔術の浪費になるだけだというのに) はあっとため息をついた帝に、突然誰かが駆け寄ってきた。 「帝様!」 帝は自分にすがりつく少女を見て、目尻を少し吊り上げる。 早川 響子が潤んだ瞳で彼の顔を見上げていた。
第一巻<33> / TB(-) / CM(-) / ↑
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