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2008/07/03(Thu) 19:47:51
必死に助けを求める少女を、帝は冷めた目で睨んだ。 「どけ!」 彼は、響子を突き飛ばし、そのまま校舎に向かおうとする。 「待ってください、帝様」 背後から背中にすがりつかれ、帝は顔をしかめた。 響子は、帝の背中に自分の体を押し付け、泣いて訴える。 「お願いです。もうすぐお父様とお母様が、外国からお戻りになります。そしたらもっと大変なことになりますわ」 「何?」 「クリスティ家の方とはいえ、勝手に他の魔族の精神を奪うなどというむごいことを、こちらも見過ごすわけには参りません。お父様は、とてもプライドの高いお方ですもの。グランスノア家の総力を挙げて、クリスティ家に抗議を申し立てるでしょう。そうしたら帝様にも、大変なご迷惑がかかってしまいます。わたし、お兄様もですけど、帝様のことが心配で――」 「……」 「帝様しか斎様をいさめ、お兄様を救ってくださることは出来ません。貴方を一途にお慕いする、このわたしを哀れだと思ってください。どうかお願い――お兄様とわたしを助けてくださる方は、貴方しかいません」
第一巻<33> / TB(-) / CM(-) / ↑
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